位相差顕微鏡検査とは

当院では顕微鏡システムを導入しています。

歯科における2大疾患とおえば、「虫歯」と「歯周病」。これは現在の歯科医療においては感染症であるという結論になっています。

虫歯や歯周病(歯槽膿漏)は唾液を介して人から移るのです。感染症なので菌が原因ですが、直接お口を見ても肉眼ではわかりませんし、レントゲンには写りません。これでは肝心な原因菌が多いのか少ないのか解りません。ですから位相差顕微鏡で検査して菌の状態を見る必要があるのです。診断に欠かせない検査だと思っています。

PCで細菌の拡大画像をみた患者さんは口腔衛生への関心が非常に高くなります。おのずと歯磨きや定期清掃(PMTC)へのモチベーションが非常に上がります。歯や歯茎に自覚症状がない方も、一度は顕微鏡検査を受けに御来院下さい。

位相差顕微鏡検査でいろんな情報が得られ、治療や予防に役立つのです。レントゲン写真と同等の意義があると思っています。

顕微鏡検査のすすめ

顕微鏡検査は歯周病治療に使うだけのものではありません。歯周病の自覚症状がある方はもちろんですが、自覚症状がない方、お子さまからお年寄りまですべての年代の方に顕微鏡検査の意義があります。

検査料金は再診料に含まれます。検査を受けても治療費が高くなることはありません。

検査の意義

  • 検査はプラークを採って、顕微鏡で見るだけです。痛みも全くなく、費用もかかりません。虫歯も歯周病も、細菌が唾液を介してうつる感染症です。家族など身近な人との間で、細菌をうつし合っていることが多くあります。
  • プラークが単なる磨き残しや食べかすではなく、細菌の塊であることが理解できます。お口の中の細菌を実際に見ることにより、自然と歯磨きを真剣にするようになります。
  • 若年の方の場合、菌叢により、将来的に歯周炎になる可能性が予測できます。大人に限らず、幼児から青年期の方も、継続してメンテナンスしていくことの重要性が理解できます。結果的に、虫歯や歯周病を予防することができます。
  • 顕微鏡像(菌叢)は保存します。メンテナンスの時に、再度、検査して、前回の菌叢と比べることができます。菌叢を経時的に比較することにより、お口の中の正確な状態を知ることができます。継続したメンテナンスの重要性を確認できます。
  • 細菌はご両親・ご家族から幼児へ感染したものです。つまり、お父様・お母様も同じ菌叢を持っている可能性があります。お子さまの菌叢を見ることにより、ご両親もご自身のプラ-クコントロ-ル・歯周病の予防と治療への気持ちを喚起する効果があります。お子さまの菌叢はご両親のお口の中の鏡です。
  • お子さまは歯周病原因菌が多くいたとしても、大人になるまで発症しません。ただし、ご両親はお子さまと接触し、唾液を介して感染・発症することがあります。ご家族の方も、お早めに顕微鏡検査を受けられることをおすすめ致します。

検査については歯科医師または担当歯科衛生士にご相談ください。

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